ダイニングチェアーの製作     from 2008.11

これより前の工程は こちら です

ようやく完成しました ご愛読ありがとうございました 

 


完成です

単独でもOKですが、写真のようにいくつか並べてベンチ風にすればより納まりがいいようにデザインしています
柿渋を塗ったのでアルダーがバーチ(樺)みたいです

客先の大きな古材欅のテーブルと合わせるのが楽しみです

肘掛けを付けないときはこの”栓”をしておきます
<座板の取り付け>

写真のように肘掛けをしっかりと取り付けた状態にしておいて、座板を駒止めします。これにて組み立て完了です。

このノブは7角形なのでセブンロブノブと呼びます。

ネジ穴にはM5のウッドアンカーを埋めてあります。




<塗装A オスモでオイルフィニッシュ>

柿渋のときは何回か重ね塗りすることが多いですが、この塗料は1回塗りでじゅうぶんでした。

柿渋の次は、オスモオイルを塗ることにします。
目的は少々の艶出しと表面保護と風合いの維持です。

オイルはウエスでしっかりと摺り込むように塗っていきます。
余剰ぶんがギラギラしているときはきちんと拭き取ります。

写真のオスモ缶は、3101(ノーマルクリアー)です。


上の写真 : アームレスト(肘掛け)にオスモを塗ったところ

下の写真 :: アームレストを使わないとき、
         かわりに差し込んでておくパーツです
<塗装@ 柿渋塗装>

#400のサンドペーパーで木地調整をして、いよいよ塗装です。

今回は、こげ茶色の 「柿渋カラー」で直に着色します。

水で少し薄めてご覧のように筆でたっぷりと塗ります。
そしてすぐにウエスで拭き取るとムラなく仕上がります。

この塗料は発酵・熟成しているので、どこか懐かしい臭いがしますが、乾いてしばらくすれば消えます。


<駒作りC チェック>

駒の段欠き部が、このように脚部に加工しておいた溝にはまります。

駒に開けた穴に下から木ネジを通して、この上にのっかる座板を取り付けます。

座板の幅が湿度で変化しても自然に対応できるのが駒止め法のメリットです。
私はテーブルの天板もこの方法でセットします。


ポイントは、駒の上面と座板との間に必ず若干の隙間を設けておくこと。
もし駒のうわっつらが、たとえ1/1000mmでも枠からとび出ていると、何の役目も為しません


<駒作りB 段欠き部の縦挽き >

縦挽きはバンドソーです。ホゾ加工と同じですね。
ガイドフェンスを入念に調整して一発で決めます。
<駒作りA >

今度は所定位置で切り離します。(写真上)
すでにボール盤で駒ひとつずつに穴開けしてあります。

ドレメルのミニルーターの先端に付いているのはグラインダーです。これでドリル穴のバリ取りをしました。(写真下)

椅子1脚あたり8ケ使います。なので64ケ要。

ちなみに駒はホワイトアッシュ材です。




<駒作り@ 段欠き部の横引き>

座板を脚部に取り付ける方法・・・・・いろいろありますが今回は「駒止め」でおこないます。その駒を作ります。

厚み出しした4本の板を両面テープでつないで
まとめて墨付けしてそのままスライドマルノコで切ります。

切るといっても切り離すのではなく途中までです。ホゾの横切りの要領ですね。
このかたまりで32枚あります。
<肘掛の仮組み>

こんな感じになります。
板幅約100mm、グラスを置くためです。

あと、部材に面取りしたり仕上げ鉋をかけたりして本接着します。

肘掛部は座面に対して着脱可能にします。

肘掛無しのときは四角い穴に蓋をします。
その蓋、あとで手作りしますがデザインはまだ決めていません。
<肘掛の部材加工B>

貫きになる材にちょっと飾りをいれます。
 (さりげなく和風を演出したつもり)


まず糸のこで、お次はスピンドルサンダーで、最後はハンドサンディング。



<肘掛の部材加工A>

ホゾ部の縦挽きはいつものようにバンドソーです。

材は下の写真で横切りしたものです。

<肘掛の部材加工@>

ホゾ部の横切りをテーブルソーで行なっているところです。

端部から一定距離のところで横切りする場合に用いられる定番方法です。短時間で大量に精度よく加工出来ます。

BT-3100のガイドフェンスに当木を取り付けています。
この当木は位置決めしたら金輪際動いてはいけません。



<背もたれ部の本組み@>

まず、左右の支柱を接着します。支柱は座面に対して80°でささっているので、クランプをするときその角度の当て木を噛ましました。
クランプをしながら裏面からクサビを打ち込みます。

左の写真は、座板の裏面です。通しホゾはすでに「鼻切り」してあります。
荷がかかるのでクサビはダブルにしています。

<背もたれ部の本組みA>

接着剤が完全に乾いてから、5本のスピンドルと笠木を接着します。
スピンドルを接着するときは、「穴」の方に接着剤を塗ると糊がはみ出ません。


<背もたれ部の仮組み>

部材を差し込んでみて隙間やガタをチェックし、
場合によっては修正します。


下の写真のように座板の四隅はフィレット加工しています。

それと四角い穴には、
これから作るアームレスト(肘掛け)の脚が差し込まれます。
<背もたれ支柱の成形>

支柱の、
 前面は、笠木を装着するための段欠きを、
 後面は、写真のような曲面に、
バンドソーで加工しました。

段欠き部は入念に現物合わせします
曲面部はめらかにサンディングします。

ハンドサンダーは、
 
@手鉋(洋鉋)をかける要領で用いる
 A2つ以上を用意してペーパーの番手で使い分ける
 B底面は正確な平面ないしは若干凸面であること
   (もし凹面なら何かを貼って調整すること

がポイント

<背もたれのスピンドル製作A>

できました。こんな感じです。

スピンドルは 5本 x 8脚ぶん = 40本 必要です。

スピンドル作りの詳細は、こちら
スピンドルターナーには必見の
新開発治具!?も公開しています!
<背もたれのスピンドル製作@>

背もたれ支柱の間に5本の丸棒(スピンドル)が入ります。

材料 : 20mm角 x 350mm

これを木工旋盤で両端部の直径を15mmφ、
そして全体の形をエンタシスにします。

<背もたれ支柱の製作>

背もたれは座面に対して80°にします。

座板に対しては、2本クサビ付きの通しホゾで組みます。
ホゾの作り方は前ページの脚部の貫きと同じ要領です。

この支柱に段欠きをして、背もたれの笠木(下欄参照)を
取り付けることになります。

支柱は最終的にはバンドソーなどで3次元成型します。

写真の座板もぼちぼち周囲を切り取らなくてはいけません。
<座板の加工C>

逆サイドのホゾ穴をあけているところです。
基準の出た木片を今度は右側に貼りつけています。

通し穴なので下敷きを敷いています。
<座板の加工B>

次に、背もたれの支柱を差し込むホゾ穴を角ノミ機であけます。

このときも、先ほどボール盤で使った10°の治具を活用します。
基準の出た木片をガイドとして座板の左側に貼りつけています。
<座板の加工B>

座板をのせて穴をあけます。
キリは15φ。この穴には背もたれの丸棒(スピンドル)がささります。

さてスコヤの役目ですが、
座板をまっすぐに置くためです。そのために台板は縦筋の入ったフローリング材を使っています(下の写真参照)。スコヤをこの筋にあてがってチェックするわけです。

座板の「通り」に対して正確に10°傾けた穴でなければ、スピンドルはきっちりとささりません。
<座板の加工A>

ボール盤の定盤の上に乗っているのは材料を斜めに置く(つまり斜めに穴を開ける)治具です。角度は10°です。

なぜかスコヤがのっていますが、これには重要な意味があります。
<精度よくクロスカットする私の方法>
1.マイターガイドに直角並行の出たダミー棒を両面テープ
 で貼り付けます
2.そのダミー棒をそのままカットします
3.あとは、目的の材料の墨線をダミー棒の切断面にきっちり
  合わせて切ればOKです

写真はその方法でまさにカットしたところです。
ちょっとわかりにくいですが、白っぽいアルダー材の座板とマイターガイドの間にある黄色っぽい棒が「ダミー棒」です。

<座板の加工@>

ここでがらっと景色が変わります。

前ページで作っておいた3枚剥ぎの座板、
ここで縦横とも所定の寸法にカットします

幅方向はテーブソーの縦挽きで決めます
 1.手押し鉋盤で片側の基準を出して
 2.反対側をテープルソーで0.5mm大きめにカット
 3.カットした面を手押し鉋盤にかけて直線を出しながら
   幅寸法を決める

長さ方向はテーブルソーの横切になります(写真)
 1.マイターガイドをきっちり90°に調整します
 2.材料が動かないようにハタガネなどで固定します

※このテーブルソーの詳細やマイターガイドの改造は、
 トップメニューの「道具」コーナーを参照してください。
はい。鉋をかけました。

最終的にはハンドサンディングで滑らかな曲面に仕上げます。
<背もたれ部の製作D>


次に、笠木の裏側を鉋がけします。こういう湾曲したものを削る時は基本的に「坂を下る方向」に鉋を動かします。

写真は、向こう側半分を鉋がけして方向転換したところです。
これから左下方向に向かって鉋をかけます。

写真の鉋は新潟は平出さんの豆鉋です。

この面は凸面なので平鉋を使います。
表側は凹面となりますので反り鉋を使います。

はい。ぜんぶ切りました。ふうっ。

ちなみに厚みは20mm強です。
<背もたれ部の製作C>


穴を開けてから、バンドソーで切ります

背の高い材を切るときは、私はいつも材を安定させるために直角のでたダミーを貼りつけます
今回も同じ材を右側に貼りつけて切りました

高さ140mmほどありますが、アルダー材なのでサクサク切れます
10mmぐらいのベニヤ板を切っているのかと錯覚するほどです
ブレードはティンバーウルフの3/4インチです

前もって、材の両端は所定の角度にスライドマルノコで切断してあります
<背もたれ部の製作B>


穴のセンターも下欄で紹介しているテンプレートで印付けしました
<背もたれ部の製作A>


その笠木の底面にスピンドル(丸棒)を差し込む穴を5つあけます

写真は垂直をチェックしているところ
キリは木工用φ15です
<背もたれ部の製作@>


これは背もたれの板(これを笠木といいます)の材料です
8脚ぶん、すでに所定の大きさに木づくりしてあります

ちょっと見難いですが、笠木のテンプレートが見えます




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