☆ AVEでセビーリャへ向かうのですが

いよいよマドリッドを後にして、スペイン南部(アンダルシア地方)に向かいます。
AVE(アベ : スペイン版新幹線)の切符は観光シーズンは長蛇の列との情報から、ちゃんと日本で予約してありました。

われわれの予定は、
マドリッドからコルドバまでAVEで移動して、コルドバのメスキータを見てその日のうちに在来線でセビーリャ へ
だったのですが、さてもここで大きな番狂わせです。

それは「マドリッドの夜明けは遅かった」ためでした。

ここからのお話はノンフィクションです。ちょっと参考になりますよ。

朝7時30分発のAVE、逆算すると遅くとも宿を6時半ごろには出なければいけない

その時刻はまだ陽が昇っておらず薄暗い : 日本では予想できなかった

宿の前の路地は、毎朝良からぬ輩や娼婦が出没している(この街の朝6時は日本の午前3時みたいな雰囲気)

危険だ やめとこう


それじゃ、前の晩にタクシーを予約しようぜ

でもここはアパート。フロントがない。自分らで手配しなければいけない。

まず街の案内所に行ってタクシー会社の電話を調べる

いくつか電話したら英語が通じるタクシー会社があった

ラッキー!と思ったが

「あなたの電話番号は?」 と訊くので 携帯の国際番号を告げると

「国際電話では受け付けられません」 ときた

しゃーないあきらめよう


ここで大英断 AVEの時間を後にずらして、陽が高くなってから移動しよう

@これでAVEの予約チケットは紙くずになりました
Aそれとセビーリャに直行するのでコルドバは素通りです

そのかわり前の晩は心配事なく ぐっすり、次の朝はゆったり、そして何よりも安全に行動できました


ちなみにAVEはアトーチャ駅から乗りましたが、搭乗と到着が別々だったり、X線検査があったり、切符売り場がややこしいとか
要領を得るまでちょっと苦労しました。
日本の新幹線なら発車5分前に駅に来れば間に合いますが、ここは大違い。
初めての場合は、飛行機に乗るぐらいの余裕が必要です。


☆ セビーリャ : 歌劇カルメンの舞台、大聖堂、深夜のフラメンコ   Sevilla


時速二百Kmで突っ走るAVE、マドリッドからセビーリャ(セビージャと発音してもスペイン語としてOK)まで2時間半ほど、途中コルドバに停車する。
地図でみるとマドリッドからセビーリャまではちょっとに見えるが、これが400Kmほどある。

その道中、車窓から見えた町や村は十もないのではないか。何が見えたかというと、半分以上はオリーブの木、あとは荒地。
オリーブの収穫はどうするんだろう?いちど見てみたい。
オリーブの木はもしかしたら砂漠化に対抗するためなのかも。


昼過ぎにセビーリャに到着。
ホテルにチェックインして街へくりだす。まずは、F君がずっと懸案にしていた明日のバスチケットを手に入れなければならない。
バスセンターまではアルカサル庭園を横切って歩いて行けた。
行き先と時間を紙に書いて窓口のお嬢さんに見せる。これがいちばん確かな方法だ。これにて一件落着。
ただし、買えるのは下車する駅までのぶん。乗り継ぎしたいときはその駅でまた買いなさいと言われる。

みんなシエスタ中、しかも灼熱の太陽で40℃近い、街行く人は少しの観光客のみ。
そんな中てくてくと歩いて、小さなレストランで遅いお昼を摂る。 ビール最高!! さらに氷が入ったガスパッチョはそれ以上だったかも。


ホテルに戻ってからF君が今夜のフラメンコショーの予約をしてきてくれた。
ロス・ガリョスというセビーリャで一番の老舗タブラオが歩いて2分にある。
それは22時半開演でたっぷり2時間。

周囲に目をやるとほとんどがふたりづれ。なるほど・・・。
でもこちらはシェリー酒片手に「純粋」に鑑賞した。

これ以上無理をまだ通り越してひねり出す叫び声、何を言っているのかわかったのは 「私は男だ」と繰り返すところだけ。
その声に呼応するギター。強烈なタッチとおそろしく速いラスゲアード。彼らは魔術師だ。マイクなんかなくても全然OKである。
しわがれ声に対して、ギターは弦がフレットに擦れたビリビリ音で見事に応える。その姿が「めっちゃ、カッコイイ」。
ほかに手拍子とタップ、たまにカスタネット。

主役はダンサーである。
総勢5,、6人が入れ替わり立ち代り登場する。顔も体も全ての部分を使って表現する。極めてハードでタフな舞い、それでいてすごく繊細だ。

曲が終わる最後の1拍を全員が一糸乱れず「ビシッ」と揃えるのミソ。
踊り子もこのとき最高のポーズを決める。
ここで否が応でも拍手が湧き起こるという段取りになっている。

これが本場のフラメンコかぁ。究極の訴求芸術とでもいおうか。
ガリョスとは雄鶏らしい。それだけに鳥肌がたった。

AVEの車窓から見える代表的な景色 →

↑カルメンの舞台となったタバコ工場の入り口
ホセやエスカミーリョがここで・・・
現在はセビーリャ大学。

タバコ工場であることを示すタイル
 Fabrica Real de Tabacos (国営タバコ工場)
世界の三大カテドラルのひとつといわれる
セビーリャ大聖堂

左写真の奥は、ヒラルダの塔97m

拝観するために
並ぼうとしたがタイムリミットに
なりそうだったのであきらめた

でも並んでおくべきだった
「時間切れ?上等だよ」
ぐらいの余裕が欲しかった
と今思う
←  サン・テルモ橋からみたグアダルキビル川
暑いのとシエスタで人影はない

正12角形の塔は、黄金の塔と呼ばれる
宿(ホテル ムリーリョ)の窓から → 
この下はパティオで小さい噴水がある    

ホテルのロケーションは最高でした。値段も手頃。    
翌朝のデサジューノ(朝食)は非常によかったです。    


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