☆ アルハンブラ宮殿の門をくぐるまで大変でした。でも最高!


 朝寝坊 

何といってもいちばんのお目当てアルハンブラ宮殿のお話です。

プエルタ・デ・ラス・グラナダス(pueruta de las granadas)というホテルはアルハンブラへの参道(ゴメレス坂といいます)にあるので、
宮殿へは歩いていけます。

チェックインのとき、宮殿の入場予約券をくれました。日本で予約してあったからです。
『明朝8時にこれを持って宮殿のチケット売場に行ってください。そうすれば9時の入場券と交換できます。』
とフロント係が流暢な英語で説明してくれました。

さて明日はいよいよアルハンブラかと二人とも感慨にふけりながら、それでも朝早いので夜更かしせずに就寝。もちろん目覚ましをセットして。

− 翌朝 −
目が醒めるとなんと9時前! もう一度時計を見たけど同じ。「あらまあ、えらいこっちゃ」
F君を起こして「9時やでぇ」「どないしょう」
9時まで目がさめないってここ何十年も経験してないことが、よりによってこんなときに起こるとは。
「やっぱり、疲れてたんやね二人とも」
「とりあえず行ってみましょうか」
それにしても目覚まし時計はなんで? 「あっ、AMとPMを間違えてました!」 ということでした。

 それでも GO! 

歩いて行けるとはいうものの、坂のきついこと!早歩きなのでなおきつくってすぐに息がきれます。
そしてやっとこさチケット売り場に着くと、「ああ、並んでる、並んでる」の状態です。
予約券を持ってウロウロしていると、係員が近寄ってきて「それを持ってるんだったらこっちの窓口で交換しなさい」。
といってくれたので「ラッキー!」「1時間半ぐらい遅れても気にしないんやね、スペインは」「素晴らしい」
とかいいながら並ばずに無事チケットを手にしました。

ただしそのチケット、入場は13時って書いてありました。
「やっぱり遅れたからや」
まあそれでも行ってみようということで、今度はゆったりと宮殿をめざしました。

アルハンブラ宮殿といっても実はすごく広くて、入場チケットが要るのはその中のナスル朝宮殿のエリアだけです。
アルカサバというアルハンブラを象徴する城郭とか、後で建てたという大きな円形の建物とか、その中に併設される博物館などはフリーでした。
13時まで十分すぎるほど時間があったおがげで、これらすべてを見学することができました。
「これで、よかったじゃない」と納得。
売店も適当にあるので飲食には不自由しません。お昼はボカディージョというサンドイッチとアムステル(ビール)でした。


 どれが朱色の塔? 

ところで、ギター弾きならおなじみのアルベニスの名作「
朱色の塔」はこのアルハンブラの塔をイメージしているといいます。
スペイン語で Torre Bermeja と単数形なんですが、はたしてどの塔なんやろ? 朱色? よくわかりません。
でも天に突き出た塔(というより見張り用のベランダみたい)のどれかであることは確かです。
ほとんどの塔に上がりました。それらには必ず Torre○○ というふうに名札がありました。
そしてそこからの眺めをしっかり脳に焼き付けました。グラナダ en アンダルシアを。


 入 場 


13時きっかり、入場改札がはじまりました。胸が高鳴ります。

そこは一言でいうと「幾何宇宙」。
イスラム世界では偶像や動植物の描写はご法度という掟どおり、全く生命の匂いのしない空間でした。
緻密で自己相似的な文様の限りない繰り返し(アラベスクっていうのでしょうか)があらゆる壁や天井・柱に、
木や石の象嵌だったり、絵タイルだったりと素材や細工は違えど見事にちりばめられています。

上を見上げているのもありますが、開いた口がふさがりません。
でも見ていておなかがいっぱいにならないし、飽きないのが不思議です。これを作った作家さん、ブラボー! 素晴らしい!。
これらはギターのロゼット(口輪)のデザインのルーツということがよくわかります。

何人ものギタリストがここでコンサートや録音をしたという、池を囲む有名な中庭(コマレス宮)に出ました。
これだ、これっ。ついに来たぞ。といきなりミーハー。当然、デジカメや携帯を取り出してパチパチパチパチ。

気になったのは館の中はいわゆる「部屋」になっておらず、出入口や窓にも扉がなくスカスカということ。
床は石だし、夏は快適だけど冬はさぞかし寒いことでしょう。

館を出ると、樹木やお花がいっぱいで小鳥やネコもいたりして、一転して生命感に満ち溢れます。
みちはそのまま ヘネラリフェ という別邸に通じていました。



 ヘネラリフェ 

夏の別荘というこの建物。なるほどここの出入口も窓も全てスカスカ様式です。
庭のアサガオと、噴水がきれでした。


←「塔」から宮殿を望む。その右の四角い大きな
  建物はあとで建てられました。
  カルロス5世宮殿

  内部は円形で、1階は博物館です。



   その内部です。このように真円形です。→
←アルハンブラで一番高い塔です
  旗は、スペイン、アンダルシア州、ユーロ・・

         
        
               いよいよ入場です →
← こういうの証拠写真というんでしょうか →
人物のよしあしは無視してください

左のバックはアルバイシンの街並
山肌はサクロモンテの洞穴村

右はみんな知ってるコマレス宮
← どちらも天井です →
拡大しないとよくわかりませんね
左は球形 、右は八角の台形錐

ライオンの中庭です
でもライオンの噴水は修復中でした

左は東洋系 、 右はアラブ系

それより柱をみてください

柱からアーチにかけての形、
そう、ホセ・ロマニリョスの
ロゼットのモチーフですね
← パルタル庭園






             ヘネラリーフェの噴水 →


石とレンガだけで造られたアルハンブラでした。七百年たった今でも形があるのは、地震の少なさを物語っています。
砂漠のようなこの地方にあって、この山だけは緑豊かで、湧き水らしいせせらぎまであります。
そういう意味でも別世界でした。

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