まとめ 

奈良に閉じこもってギターを作ってるというのは、
欧州人が日本を知らないで三味線を作っている(時にはウンチクも垂れながら)のと同じと思ってきた。
今回、現地の空気を吸ってきたことで、その思いは大きく軽減された。


【講習のこと】

マエストロ・ロマニリョスから「絶対に妥協するな」と教わった。

これはよく考えると奥が深い。

妥協とは、かくあるべき姿というものを知っているのにもかかわらず、「まあ、いいか」とすることをいう。

しかし

かくあるべき姿を知らない、知っていても他人から見れば姿のレベルが低いとしたら・・・・
そんな状況で妥協すれば、結果は火を見るよりも明らかだ。

妥協する・しないは本人の心がけ次第、つまり精神力の問題で、楽器製作技術とは別のところにある。

重要なのは、絶対的にも相対的にもハイレベルな「かくあるべき姿」を承知しているということである。

熱心な製作者であればあるほどその「姿」は恒常的に頭上でふらふらとしているものだ。

しかしなかなか手中に収まらない。

それを捕捉して我が身のものとするためには、とりあえず今承知している姿を100%まっとうできることが最低条件である。

マエストロはそのことを伝えたかったのだろう。


努力の結果めでたく捕捉できた次の瞬間にはもう新たな姿が気になる。
それを獲得するためには・・・・・
マエストロでも終点は無いに違いない。


【スペインのこと】


つづく・・・・


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