モンセラットの山と修道院、絶対にオススメです  〜 フェルナンド・ソルのふるさと 〜 

<行きかた>

バルセロナから約60Km、メトロからカタルーニャ鉄道そして登山鉄道を乗り継いで行きますが、われわれはオールインワン・チケットを買いました。
それは往復の電車と登山鉄道の乗車券、モンセラット美術館の入場券、頂上へのケーブルカー、さらにお昼のディナーまでついて30ユーロでした。
結果的にこれは正解だったと思います。一日かけてゆっくりじっくり訪れるときにはおすすめです。
カタルーニャ鉄道始発駅の自販機で購入できます。


<登山鉄道>

2本のレールの間にもう1本いや確か2本、ギヤー(ラックという)のレールが敷かれていて、これが車両側と噛み合って山を登ります。
実績があるので安心感はあるものの、かなり急峻な崖をひたすら登っていくのでスリルのほうが大きかったかも。
下界はのどかな景色。なだらかな緑の山々に小さな集落が点在します。そして見上げれば巨大な奇岩がニョキニョキ。
どうしてこんな岩ができたのだろうと誰でも思うでしょうね。それは後ほど明らかになるのですが。


<修道院に到着>

ギターのベートーベンといわれる作曲家でギタリストのフェルナンド・ソルが小さい頃修行したというモンセラット修道院、それはほとんど頂上近くにあります。
馬車しかなかったその昔、ここまで建設資材をどんな風にして持って上がったのでしょうか。
当時の様子は併設されているモンセラットミュージアムの絵でつぶさに見ることが出来ます。
今もバリバリの修道院なので観光客が入れるところは限られています。

<聖堂>

やはりここがお目当てという人も多いでしょう。立派なチャペルです。内部には黒いマリア様。
有名な堂内の回廊を見学できるのですが今回は人が多いので遠慮しました。
 ちょうど結婚式が行われていました。一般の観光客からも祝福を受けるなんて素敵ですね。
残念ながら、有名な少年合唱団の歌声は時間帯があいませんでした。


<山>

いちばん目を奪われたのはこの山です。なんという自然の造形。この様相に至るまでの途方もない時の流れを感じます。
岩のひとつひとつはどこかユーモラスで象やトドやペンギンみたいに見えるものもあります。
でも山全体がこの岩、ちょっと怖さも覚えます。何人もの画家がこれを題材に描いています。それをモンセラット美術館で鑑賞しました。


<昼食 : ディナー>

こんな食事が付いているだけでもオールインワン・チケットの値打ちがありました。セルフ式のレストランとでもいいましょうか、いろんなスペイン料理が並ぶカウンターから好きなものをトレイに載せます。日本のバイキングと違うところは、どれも”一人前”の量だということです。
出来たてのアツアツ。あれもこれもといきたいところですが、なにしろ量が多くて。
結局、選んだのはソラマメのてんこもり、チキンのパエーリャ、メロンの上に生ハムがのったやつ、それからあと・・・忘れました。それとビール。ちなみにこのパエーリャがこれまででいちばんおいしかったです。

あきらかに食べ過ぎやなと思いながら周囲に目をやると・・・仰天しました。だいたい自分たちの倍ほどトレイに載せてバクバクやっています。その量は男女で差はなくて、わたしなんかお年寄りの女性にも負けていました。いやはや。


<ケーブルカーで山頂へ>

すごい斜度、登山列車よりスリリングでした。
山頂駅の2階が、モンセラット山の生い立ちや自然についての展示場になっています。隆起と侵食というパターンで出来たこの奇岩群のプロセスがわかりやすく解説されています。

ここから足を伸ばしてトレッキングするとモンセラットの魅力を堪能できるのでしょうけど、どのコースも時間単位の距離なのであきらめて、それでもせっかくなので見晴らしのいいところをまで歩きました。
上から見る修道院や下界のカタルーニャの村々ももちろん魅力的でしたが、ぐるりと360°しかも奥の奥まで目線で聳え立つ巨岩群は一生忘れることはないでしょう。


<モンセラットミュージアム>

実はあまり期待してませんでしたが、いやいやおみそれしました。量、質ともに見ごたえ十分です。まともに鑑賞すれば3時間は要るでしょう。
モンセラットを描いたコーナーもよかったし、バルセロナを題材にしたもの、ピカソはじめバルセロナゆかりの画家といったところが多かったです
なぜかロシアのイコンのコレクションがありました。わたしにはよくわかりませんが極めて貴重なものであることは展示方法から感じました。
イコンといえば昔読んだ森村誠一の小説を思い出しました。マニアにはたまらないでしょうに。


ということで、バルセロナを訪れることがあれば是非おすすめしたいスポットです。
見どころや歩きどころがいっぱいあるので、体調を整えて、運動靴を履いて、できるだけ早く行くのがいいでしょう。
そう、オールインワン・チケットもお忘れなく。


迫りくる岩のたかまり








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山頂にて
修道院です →


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