クラフトM オリジナル楽器シリーズ 第4弾 2009.7製作
 
ハープリュート 

19世紀に桜の花のようにぱっと咲いては散っていった楽器です
現代のギター作りの技術で再現しました

               
 【弦数】
ギター部6弦
ハープ部8弦

 【弦長】
ギター部 620mm
ハープ部 700〜800mm

 【調弦】
ギター部はクラシックギター同様
リュート調弦も可

ハープ部は弦選定により適宜可
出荷時は C-C 1オクターブ

【塗装】
全面セラックニス塗装

【使用できる弦】
ギター用ナイロン弦
羊腸弦
フロロカーボンの釣り糸


 【使用材】
トップ : ヨーロピアンスプルース
バック・サイド : インドローズ
ネック : マホガニー
ハープ支柱 : 栓
ヘッド : ハードメイプル
ヘッドプレート : 鹿子の木
ブリッジ : ハカランダ
バインディング : パオローサと楓
弦かけピン : 黒檀
糸巻き : チターピン

糸巻きと弦以外はすべて手製です

裏側は5枚のリブのはぎ合わせで構成されます
このリブと、湾曲した底板をつなぐ工程が
最も苦労したところです

オリジナルと同じくストラップ用のエンドピンを付けました
胴の深さは
上部65mm 底の最深部125mm


支柱とヘッドはホゾで連結
「大入れ四方胴付き」方式です


注文者のイニシャルの象嵌
光っているのは真珠貝






口輪はギターと同じで
という指定でした
ハープ部の弦間は少し広めに設定

専用ケース

材は桐と樅の木
仕上げはオスモオイル

中身が微動だにしない構造です

音色は? 

展示会での皆さんの試奏では、弾いていて気持がいいとの評価を得ています
クラシックギターとリュートと19世紀ギターの音をミックスしたような音ともいえますし、
そのどれでもないともいえます

また手工クラシックギターに勝るとも劣らない音量と余韻があります(正直にいうと作者の想像以上でした)

ハープ部の8本の弦の使い方について
当時、どういう調弦をして如何に弾いていたのか不明(勉強不足?)です
低音スケールにセットして共鳴弦としての役割のほか、
細い弦を張って中音域でメロディーを弾いてもOKだと思います


製作依頼してくださったK氏、これでどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです


製作工程はブログのほうに少々記載しています ご興味あればどうぞ


← 今回のモデルです →
(静岡県の楽器博物館所蔵)


この写真から図面を起こして作りました
実は現物を見ていません

シルエットはほぼコピーできています
不必要な(自分の好みでない)装飾は
一切省きました




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